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受刑者の生活費は誰が負担する?

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私たちの暮らす日本社会には、何かしらの罪を犯した人々がいます。

彼らのうち、自由刑(国民に与えられている基本的人権に含まれる「自由権」が大幅に制限すされる刑罰)の執行を受け、刑事施設(刑務所や少年刑務所拘置所)に収容されている人々を、受刑者といいます。

このような受刑者ですが、刑事施設で服役している期間、人間として生きていく権利は保障されるのでしょうか。

その答えはイエスです。

一部権利の制限はありますが、彼らにも人間らしく生きていくための基本的人権は保障されています。

しかしながら受刑者は、服役している間は生活するために必要な資金を全て自分自身で賄うことはできません。

では、彼らが服役している間生きていくための生活費は誰が負担しているのでしょうか。

 

受刑者の生活費は誰が負担する?

結論から言うと、受刑者の生活費は国民の税金で負担しています。

では、受刑者は何もせずにただ税金だけで生活を送っているのでしょうか。

その答えはノーです。

受刑者は、服役期間平日8時間の刑務作業といわれる作業労働を行っています。

この刑務作業には主に、生産作業(一般企業や個人事業主から委託された物品の製作を行う作業)、社会貢献作業(通学路の除雪作業や植生保全のための除草作業など社会に貢献していると実感できる作業)、職業訓練(出所後に就労が有利に働くように、職業に関する免許や資格を取らせる訓練)、自営作業(刑事施設で受刑者が生活するために必要な、炊事・洗濯・施設内の清掃などの作業)の4つがあります。

受刑者はこの4つの作業から何かしらの作業を行っており、その労働に対する作業報奨金を受け取っています。

この作業報奨金は原則釈放時に支給されますが、在所中受刑者が所内で生活するために必要な物品の購入にも使用することが認められています。(中には、離れて暮らす家族への生計の援助や被害者やその遺族への償いとして使用している受刑者もいます。)

この作業報奨金は1月あたり約4000円であり、受刑者の労働収入のほとんどは全て国庫となります。(法務省矯正局の矯正統計年報によると、令和元年度の刑務作業による収入は、年間約35億円となっています。)

このことから、受刑者の労働収入の一部から、国民に必要な公共サービスや公共財が提供されているといえます。

つまり、受刑者の生活費は、国民の税金で負担されていますが、国民生活に必要な公共の財・サービスは受刑者の労働収入から負担されています。

受刑者の生活費が税金で負担されている事実のみを見ると、罪のない国民が受刑者の生活を負担することに違和感を覚える人もいると思います。

しかしながら、その一方で受刑者の作業収入の行方についても同時に知っておくことが必要ではないかと思います。

 

受刑者一人に使われる税金は?

平成31年度のデータによると、刑事施設で受刑者が生活するためにかかる費用は一人一日あたり約1924円となっています。

また30年度末の受刑者数は、4万4,186人となっています。

これより、全受刑者の生活費に使われる税金は、1日あたり約8500万円となり、1年間では約300億円となっています。(服役期間は受刑者によってそれぞれ異なり、必ずしも1年間同じ受刑者が刑務所で生活しているとは言えませんので、あくまで概算の金額です。)

ちなみに税金で負担している生活費の内訳は、食費や衣類、施設費用であり、日用品や本・雑誌などは受刑者個人の負担となっています。