タクシーの変動料金に反対する人の声 導入はいつから?
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天気や時間帯によって、タクシーの運賃を変動させる「タクシーの変動料金制」が国土交通省によって検討されています。
コロナ禍によって、利用者が減っているタクシー業界を救うべく、導入を積極的に検討しています。
画期的に見える制度ですが、実際にはどうなのでしょうか?
制度に反対している人の声、また実施はいつからになるのでしょうか?
タクシーの変動料金制とは?
「タクシーの変動料金制」とは、天気や曜日、時間帯によってタクシーの料金を変動させる制度です。
たとえば、利用者の少ない晴れの日や時間帯では、タクシーの料金を値下げして利用者に気軽に乗ってもらうことができます。
逆に、利用者の多い雨の日や時間帯には、タクシーの料金を値上げすることにより、タクシー業界の利益をアップさせるのが狙いです。
事前にスマートフォンなどで予約し、その時点の運賃を知ることができるような仕組みを検討しています。
一見、利用者にもタクシー業界にも良いように見える制度ですが、この制度の導入に反対する意見も出ています。
タクシーの変動料金に反対する人の声
この「タクシーの変動料金制」に反対する声明が、2021年3月17日、自交総連(ハイヤー・タクシー、自動車教習所、観光バス労働者の組合)によって出されました。
内容を抜粋すると、この制度が「タクシーの公共性を著しく損ない、運転者の労働条件を悪化させ、ひいては利便性・安全性にも悪影響をおよぼすものであり、自交総連は、その導入につよく反対するものである」と述べ、制度の導入に強く反対する姿勢を見せています。
この制度の具体的なデメリットとして挙げられているのが、まずタクシー労働者の賃金の悪化です。
タクシー運転者の賃金は、ほぼすべて歩合給なので、料金が安く設定されている時期に乗客を乗せれば賃金が下がってしまいます。
もちろん、運賃が高いときに乗せれば、その分賃金も上がりますが、人や地方によって差が出てしまい、タクシー運転者によっては生活できないほどにまで、賃金が下がってしまうのではないかと懸念しています。
さらに、乗客に運賃が上がったときに、苦情や不満をぶつけられることが予想され、その対応に対する精神的消耗によって安全運転にまで影響をおよぼすのではないかという声もあります。
加えて、利用者の中、特に高齢者や障がい者の方に不利益が生じるとも懸念しています。
高齢者や障がい者の方たちの中でも、病院への通院手段としてタクシーを利用している方がおられます。
バスや鉄道がなくなったり、使いづらいなかで、残された唯一の公共交通機関としてタクシーを頼りにしている人が、通院するときが、運賃が高くなる時間帯にあたってしまえば、余分な出費を強いられてしまいます。
さらに、震災や災害でほかの公共交通手段が全く使えなくなった場合、まるで足元を見られるかのように値上げされると、利用者から多くの非難が殺到するのではという声もあります。
このように多くの反対意見もあり、今後どのように適度なバランスを取りつつ、利用者にもタクシー運転手にも納得のいく料金設定を提案できるかが課題になっています。
タクシーの変動料金制はいつからか予想
「タクシーの変動料金制」を検討するきっかけになったのは、コロナ禍によるタクシー利用客の減少が大きく関係しています。
さらに、2020年11月30日から「変動迎車料金」の申請受付が開始され、テストが行わ
れていることもあるので、年内の法案可決、実際は来年以降の導入が予想されます。
多くの人の生活に大きく影響するタクシーの料金制度。このような見直しや検討する姿勢は評価できますが、実際に運用するにあたって多くのデメリットや反対意見があります。
これらを踏まえてどのように課題を解決し、多くの人に納得してもらえるものにしていくか、今後期待してみていきましょう。